このページを見ている方であればだれでも承知のように、Linn Sondek LP12はマーケットで最も優れたターンテーブルの一つです。しかしながらLP12にはつい最近まではサブシャーシとアームボードというアキレス腱が存在していました。プレスされた鉄板に繊維合板をアームボードとしてネジ留めしたもので、率直に言ってこのクラスのターンテーブルとしてはたいしたものではありません。リンはその問題の改善策としてサーカス(Cirkus)キット試み、改善はしましたが、究極の解決策とはなりませんでした。25年以上の年月を経てついに、その問題の解決策としてキールと呼ばれる切削加工で作られたワンピースのアルミニウム製一体サブシャーシ-アームボードが発表されました。キールは多くの現行LP12に搭載されているプレス成形のサブシャーシよりかなりの改善しています。音質の向上についてはたくさんの記述やリビューがあるのでここでは触れません。しかし、キールの背景にある機械的な設計はとてもシンプルです。私には技術者として35年以上の経験があるので、キールのデザインを分析することができます。リンが皆さんを思い込ませているほどの魔法もなければ、ターンテーブルのデザインとして技術的なブレークスルーもありません。

キールはプレス成形のスチール製サブシャーシからの直接交換であることから、同じ大きさ、形状、重量と同じ重心になっています。すべての恩恵はその構造的剛性から来ています。そのポケット(くぼみ)&リブのデザインはとても簡単です。くぼみの深さを場所によって変え、リブ太さも場所によって変え、とてつもなく高い剛性を得ながら共鳴するのを防いでいます。サブシャーシとアームボードの一体化は小さな3本の木ネジだけ2つの部品をつないでいたオリジナルの作りから著しく向上しました。

これらのシンプルなデザインパラメーターを用いて、我々はキールの音質改善効果がすべて得られる一体サブシャーシ-アームボードを設計、製造することができました。その違いは、リンのロゴとアームカラー2つです。構造解析によって、オリジナルのアームカラーをボルトでアルミニウムサブシャーシに固定するのと、アームカラーもアブシャーシに一体成形するのは同じ剛性であるというシミュレーション結果が得られました。そして切削加工を自社でできるので、ベアリングを固定する穴をサーカスベアリング用に旧型のベアリング用にもカットすることができるためどの世代のLP12に取付けることができます。

どんな音がするのか? 自分のオーディオシステムがどのような音を奏でるか説明するとき、オーディオファイルが使う素敵な表現で私はいくらでも説明できると思います。でもその代りに、もっとシンプルなお約束をいたします。もし、30日間使用*して満足のいかない物であれば、ご返品後にすべてご返金いたします。

社長
デビッド・ジェンツァー

*このサービスは日本では行っておりません。1週間のクーリングオフ期間の返却以外は保証修理対応になりますので予めご了承ください。